女神が竪琴を弾いているラベルが特徴
弦巻きには L.E のイニシャルが彫ってある

エンベルガーマンドリンは創始者であるルイジによって改良を重ね、
後継者ペコラーロ(Pasuquale Pecoraro)によって、
完成を見た3大マンドリン銘器〔カラーチェ(Calace)、ヴィナーチャ(Vinaccia)〕の一つです
楽器のクラスとしては当時の普及タイプに属します、
現在のマンドリンより一回り小さいのが特徴です
ペコラーロのマンドリンはかなり多く輸入され、現在も愛奏家も沢山おられますが、
元祖ルイジの作品はそれほど多くの数は日本に入ってこなかったようで、
今でもオールドとして入ってくるのを除くとルイジの生前輸入されたのは少なかったようで、
まれにしか見られません。
また、ペコラーロの円熟期に見られる、ネックに行くにつれて絞り込んである、
あの美しいボディとはやや異にします。
基本的なV型のネック、ローマ型の特徴である、
ナポリ型に比べてカーブのあるやや細い指板、特徴ある弦のテイルピースの金属カバーなどは


元祖から受け継がれてきたものであることがわかります。
作られて相当経っており、傷みもかなりあり、一部力材もはずれてましたので、
専門の楽器店にて大修理をおこないました
結局全パーツをばらし、一から接着をやり直して組み立て直してもらい全面修理となりました。
指板とブリッジの交換も行い、相当高い修理代を必要としましたが、
当時のルイジの楽器がよみがえりました。
音色はボディーのローズを使ってるため、ペコラーロの時代のボディーに使っていた楓(かえで)
とは違う音色ですが、基本的にはエンベルガーの原点の音色が聞こえてきます。
資料としても極めて歴史的価値の高い楽器です。

 オールド楽器、現行楽器、資料楽器、アンティーク楽器など主催者がこれまでに集めた楽器を是非ご覧下さい
マンドリン編
三大銘器メーカー
 3.ルイジ エンベルガー (Luigi Embergher)
 [1856.2.4~1943.5.12]
 1926年制作 普及モデル