右写真は中央がコントラルト、右がテノール、左がマンドリンで大きさの比較がよくわかると思います
マンドラ・コントラルトは今では全く使われなくなった楽器で、

マンドラ・テノールがマンドリンに比べて1オクターブ低い楽器のため、この中間の音域をカバーする楽器です。
バイオリン族のヴィオラに当たり、調弦もヴィオラと同じで楽譜もハ音記号でかかれてあります。
テノールがト音記号で演奏できるのに比べてハ音記号を読める専門の練習が必要なため、使われにくくなっていったようです。
これもジェラ社特有の表面版が二重構造になった楽器です。音色はカラーチェとは全く異にした軽快でクリアーな独特の音が出ます。
大きさもマンドリンとテノールのちょうど中間の大きさです。マンドリン界の歴史的、資料的存在の楽器になってしまいました。
(マンドリン族にはこれ以外、クァルティーノというマンドリンより一回り小さく、さらに高音部を受け持つ楽器がありますが、
これもほとんど使われなくなりました。)ーチェタイプとは違い少し小振りのマンドラ、オールド楽器で輸入されたもの。
当然日本にて修理され、フレットも現在の合奏に使えるよう貼り替え、ブリッジも交換されています。


ジェラ社の表面板が2重になっているところがよく判りにくいと思いますがこの写真を見ればよく判ります。
表面板の上部2/3ほどが2重になっており、下1/3は1重です。
つまり下の表面板が本来の表面板として張られていて、2~3cm浮かせて2/3 の表面板がその上に、かぶせてあります。
この楽器の難点はカラーチェタイプと 違って、弦の張りでブリッジを押さえてないため、ブリッジの位置の微調整が効きません。
製作段階であらかじめ張る弦メーカーにあわせて、ブリッジの位置を決めておかないとハイポジの音程が合わなくなります。
しかしながら2重表面板を持つことによって、音量は確かに出ます。
この違いは低音楽器ではっきりと現れます。


 オールド楽器、現行楽器、資料楽器、アンティーク楽器など主催者がこれまでに集めた楽器を是非ご覧下さい
マンドラ編
コントラルト
Mandola contralt
 6.ジェラ
 (Lucien Raymond Olivier Gelas) 
 [1875~1944 paris]
 1933年制作 マンドラコントラルト