《マンドリンとその仲間の楽器》 | ||
〔はじめに〕 この資料はPaul Sparksによって書かれた「The Classical Mandolin」の本の最後に付表として書かれてある 《The Mandolin and Related Instruments》 より紹介させていただきます。 | ||
〔はじめに〕 この資料はPaul Sparksによって書かれた「The Classical Mandolin」の本の最後に付表として書かれてある 《The Mandolin and Related Instruments》 より紹介させていただきます。 数あるマンドリン関係のホームページにはマンドリン楽器の仲間として、現在のマンドリンオーケストラで使用している楽器を紹介されてますが、その中で弦バスやギターはそもそもマンドリン族の楽器ではなく、この資料には含まれません。 ちなみに、弦バスについては音の立ち上がりに悪さや、その響きから、プレクトラム楽器とは異質のもので、特に沢山のプレクトラム楽器が鳴ってる中に、弦バスのボーイングの音色が聞こえてきて、異様に感じるのはマンドリン音楽を愛するものとして、泪が出るほど悲しくなります。 関西地区(他地区は未調査です)では、かたくなに拒んでマンドローネを使ってる団体が結構あります。 近年国産ローネの飛躍的な普及により、現在は弦バスとローネが混在している団体が主流になってますが、将来的には弦バスはマンドリンオーケストラからフルートがほぼ消え去りつつあるのと、同じ道を歩むかもしれません。 また、ギターについても使われだしたのは、マンドリンが発明されたとされる1620年よりずっと後の19世紀の後半からで、それ以前は貴族の婦人の趣味的楽器としてマンドリンオーケストラの伴奏楽器はハープが使われていました。 中でも、この資料で注目されるのは、マンドリンより高音部を受け持つ楽器といえば、クァルティーノが最も有名ですが、Piccolo Mandolin, Octavin, Quartini, Terzini, と4種類の楽器があり調弦まで詳しく述べられてます。 さらにPiccolo Mandolin という名称はマンドリンより高音部を受け持つ総称楽器の呼び名で、マンドリンに対しての高音楽器のすこし曖昧な名称で使われたとあります。 (ギブソンなどのアメリカのフラット系マンドリン族の中で、オクターブ・マンドリン Octave Mandolin というのはマンドラ・テノールを指します、また単にマンドラ Mandola とだけ称しているのはマンドラ・コントラルト、ビオラと同じ調弦です) それから、マンドローネはリオラ Liola が正式名称であると記されてます。 さらに冒頭の説明にはリュートやキターローネは同じ名前のルネッサンスやバロック楽器とは関係ないと書かれてます。参考までにWeb上にあるキターローネ(テオルボ)をご覧ください。
読んでみていちばん気になったのは当団体が所有しているマンドラ・コントラルトの記載がなく、日本でマンドラ・テノールと称している楽器はオクターブ・マンドラ Octave Mandola であり、コントラルトはマンドリオラ Mandoliola と書かれており、またリュート・モデルの呼び名もマンドリュートなどとはいっさい書いてありません、日本で作られた名称であることが判ります。 今後日本での呼び方の統一も検討しなければならない時が来るかもしれません。 とにかく、現在世界で最も権威ある分類の書物かと思いますので、是非原文で読んでみてください。 |
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また、カッコ内の注釈はこの本のページを参照してくださいという意味ですので、詳しくい知りたい方はぜひ原書を参考にしてください。 また{ }は原文にありませんが、当方で補足説明してます。また原文の一部で、直訳ではわかりにくい部分は修正してます。 | ||
フィオレンティーノのホームページ
Circolo Mandolinistico
Fiorentino
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