オールドマンドリンとは
 オールドマンドリン、って何?  20世紀初頭(一部19世紀末も含まれます)から60年頃までに、主にイタリア、フランス等ヨーロッパで制作された、いわゆるヨーロッパでマンドリンがもっとも盛んだった頃本場で作られた楽器を指します。

マンドリンはギターやヴァイオリンと違い比較的新しい楽器で、19世紀半ば頃イタリアのパスクアーレ・ヴィナーチャによってほぼ現在の形が完成され、金属弦の使用、副弦8本によるヴァイオリンと同じ調律などが取り入れられました。

マンドリンはギターやヴァイオリンと違い比較的新しい楽器で、19世紀半ば頃イタリアのパスクアーレ・ヴィナーチャによってほぼ現在の形が完成され、金属弦の使用、副弦8本によるヴァイオリンと同じ調律などが取り入れられました。

マンドリンはギターやヴァイオリンと違い比較的新しい楽器で、19世紀半ば頃イタリアのパスクアーレ・ヴィナーチャによってほぼ現在の形が完成され、金属弦の使用、副弦8本によるヴァイオリンと同じ調律などが取り入れられました。

従ってそれ以前に作られたマンドリンは歴史的資料価値はあっても、ガット弦を使用したり、あるいは装飾は凝ってあり骨董価値があっても、実用上現在の演奏に使える楽器としては、はなはだ問題が多く、オールド楽器とは区別されます。

実際の演奏で音量、音色、音のとおり、弾き易さ、など評価を受け生き残ってきたマンドリンを指し、少なくとも経歴のはっきりした制作者、工房による手工品でなくてはなりません。
 ”そば鳴り楽器”って何?
 

[そば鳴り楽器]という業界の言葉をご存じですか
自分で弾いて、聞いていると結構大きな音がしていて、自分の楽器は結構鳴ると信じて、実際の演奏会の舞台で弾いてみると客席まで音が聞こえてこない、これを『そば鳴り楽器』といいます。
いわゆる音の通りが悪い楽器のことを指します。実際のホール演奏での試奏や演奏者の評価をうけず作った楽器で、大きな音はしますが、ホールで通らない楽器です。

 古い楽器、中古楽器とどう違うの?
 オールドマンドリンでもっとも大事なことは良質の材料を使って、細かい丁寧な仕上げがしてあり、作られた当時から高価な楽器であったことを楽器自体示してなければなりません。作られた当時から安っぽい仕上げをしてある楽器は、その程度の楽器と見なして、さけるべきです。


ただ単に古い楽器、中古楽器とオールド楽器は全く違うものであることをご理解下さい
 オールド=中古楽器、骨董楽器 とは別のものとして考え方を変えて下さい。

国産の楽器については古い時代に作られた楽器であっても量販品、手工品にかかわらず、現在まだこの分野での市場が確立してません。
古い楽器であってもオールド楽器としては流通していないようです。将来的なことはわかりませんが現行ではオールド楽器とは別のものとして、切り離してお考え下さい。
 人気のオールド楽器は?  中でもイタリアのヴィナーチャ、エンベルガー、カラーチェは3大銘器と称され、これにフランスのジェラが加わり、現在もっとも人気の高いのがこれらの制作家、あるいはこの系統の親子、弟子の手によるマンドリンで、他を寄せ付けません。

このうちカラーチェを除く3メーカーはすでに絶えてしまい、入手するのは年々困難になってきております。当然作られた本数以上の需要、欲しい人があればまかない切れませんので自ずから値段がつり上がってきます。中には粗悪なオールドもありますので、知識を豊富にして、いい楽器を入手して下さい。

(エンベルガーモデルはペコラーロの死後、現在日本でその制作道具一式を買い取った、田鎖氏が形のみ継承しているが師弟関係は全くなく、音作りをはじめとする、制作に関しての伝承は行われていない)
 どうやって修理すれば?  オールド楽器によってはフレットの数が足らない場合指板の交換や、ネック、フレットの打ち直し、マシンヘッド調整、、力材などのはずれ、補強などをおこなって、現行の演奏に使える状態にします。どんないいコンディションのオールド楽器であっても、通常フレットの打ち直し、指板の調整、ブリッジの交換は最低必要かと思います。

特に表面板は楽器の命です、これに割れがあるときは交換などは絶対せず、部分修理を行ってあくまで作られたときの状態に近づけます


この際、特殊技術を必要としますので、単に弦楽器製造メーカーや、一般楽器屋さんならどこでも修理をやってくれるかと言いますと、まず無理とお考え下さい。


弦楽器の修理を専門に行ってるお店で「直せます」といっても、このオールドマンドリンの復元を手がけたことがあるか、必ずお確かめ下さい。

中には有名な楽器メーカーに持ち込んで、このオールド楽器に知識が無く、表面板を全部替えてしまったといった、とんでもない修理をするところもあります。オールド楽器の復元修理には経験豊富な専門の知識を備えた、楽器屋さん修理屋さんにお願いするのが必須条件です。
 ほんとに良く鳴るの?  もう一点、一番重要なことはオールド楽器であるから、必ずよく鳴るとは限りません。問題はその楽器が作られた頃から比べて現時点が最盛期か、あるいはもうすでに盛りを過ぎてこれからの鳴りは期待できないか、あるいは今後弾き込めばますますよくなるかなどの見極めが一番大事だと思います。

楽器の表面板、ボディーの材質によっても違いがあります。すでにオールド楽器を使ってる方に相談するのも方法です。

経験ある楽器屋さんの意見をよく聞いて判断するのも大事かと思います。楽器によってその持っている最盛期のピークと楽器の寿命はかならずあるはずですから。

ホールの舞台や実際の演奏会で使ってみてから、音のとおりを確認してじっくり決めるのもいいかと思います。
もちろんこれだけにホールを借りるわけに行きませんので、演奏会のリハーサルの合間などが絶好の機会です。仲間に客席で聞いてもらって、音の通り、響きなども試奏するのも方法です。

 買い方、選び方は? 初心者の方は少々高くついても、専門の楽器屋さんで完全に復元調整したオールド楽器を買うのをお勧めします。
以上是非みなさんもこれらをお読みいただき今後買われる楽器の参考になればと思います。

楽器屋さんも色々得意な分野があります、少なくともこのオールド楽器を取り扱ったことがある、修理復元を手がけたことのある、経験豊富な楽器屋さんを選ぶことから始めれば、きっとあなたもいいオールド楽器が手に入ると信じてます。 


「終わりに」:新品の楽器がオールドより劣るとは限りません、国産でも良い楽器もあります。あくまで音色や響き等は使う方の好みに依ります。しかしながらあのオールド特有の乾ききった、澄み切った独特の音色には、未だ新品楽器を寄せ付けない魅力があるのは事実です。オールドに対する人気が衰えない事がこれを証明しています。
もう一つ、大事なことを忘れてました!   関西は古くからこのオールドを好まれて使ってきましたが、お読みいただいたあなたの地域ではどうでしょうか?これを読んでいただいて少しでも楽器選びの参考になればと思います。


  • 楽器の装飾に惑わされないこと、装飾がこってあるマンドリンほど高値がつきますが、これはアンティーク要素が入ってくるためで、実際の音とは無関係です。装飾に手間暇かけた楽器ほど、良い音がするかというと必ずしもそうではありません。
  • ただし制作者は最高の材料を使って、自分の作った楽器の中で最高の出来に対して、凝った装飾を施すので、それなりに音は期待出来ますが、あまり装飾に凝りすぎてかえって、木のそのものの持つ、響きすら犠牲にしてしまってる楽器もあります。
  • 適度な装飾はその楽器の持つ能力、価値、ランクを表しますが、上記のような凝りすぎた装飾は値付け要素が変わってくるので要注意です。
  • 例えば紐育(ニューヨーク)メトロポリタン博物館にあるマンドリンなどは、これまで見たマンドリンで装飾面では最高クラスの装飾と思われます、ただし音はわかりません。